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椅子選びの話

椅子選びの話 ー ウェグナー展に行ってきました

こんにちは、代表の原です。

先日、(11月)渋谷ヒカリエで開催されていた「ハンス・ウェグナー展」に最終日、滑り込みで行ってきました。

ウェグナーは「椅子の巨匠」と呼ばれるデンマークの家具デザイナーで、生涯で500脚以上の椅子をデザインした人物です。代表作の「Yチェア」や「ザ・チェア」は、名前を知らなくても見たことがある方は多いのではないでしょうか。

会場には約160脚もの名作椅子が並び、まさに壮観でした。実際に座れるコーナーもあり、木の温もりと職人技の結晶を体感することができました。

行きの電車の中で、展覧会特別モデルの「ザ・チェア」が販売されていることを知りました。様々な葛藤と長考の末
「よし、クレジットあるからいける…!…買おう(120万円)….!後で怒られよう!!今日しかない!」
と電車に揺られながら決心し自分を奮い立たせていたのですが、結局….

売り切れておりましたー。
後から10個限定だったと知りました。2週間ほどで完売したとのこと。意外と残っていた印象です。
「ザ・チェア」いつか手に入れたい。


特別限定モデルはこの色味ですが、座面はレザーです。展示品(写真)は籐で作られてました。
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日本人と椅子の高さ問題

さて、ここからが本題です。

展示を見ながら改めて考えたのが、「椅子の高さ」の問題です。

市販されている椅子の多くは、座面高が42cm前後。これは身長170cmの男性を基準にした、いわば「世界標準」のサイズです。しかも、欧米では靴を履いたまま生活することを前提に設計されています。(EU規格は45cm)

一方、日本人はどうでしょうか。

  • 靴を脱いで生活する
  • 平均身長が欧米より低い(女性は158cm程度)

この2点を考慮すると、本当に日本人に合った座面高は36〜38cm程度とも言われています。実際、家具研究の第一人者である秋岡芳夫氏は、日本の家庭には「座面36cm、テーブル61cm」が最適だと提唱していました。

つまり、市販の椅子は日本人には5cm前後高いのです。


それでも私は「普通の高さ」をおすすめしたい

では、低めの椅子を探すべきか?

私の考えは少し違います。普通の高さの椅子を選んでも良いと思っています。

理由は単純で、選択肢が圧倒的に少ないからです。

36cm前後の座面高の椅子を探すと、デザインや品質の選択肢がかなり限られてしまいます。それに合う高さのテーブルも同様です。それよりも、世界基準の名作椅子の中から気に入ったものを選び、必要であれば脚をカットしたり、フットレストを使ったりして調整する方が、結果的に満足度の高い買い物ができると考えています。

先日よくお世話になっている、半田設計事務所さんにお邪魔したら、「椅子」の話になり、足が切られたYチェアを見せてもらいました。「昔買ったんだけど、僕には少し高いからのこぎりで切っちゃった。」と、半田さん。


名作家具は「資産」になる

Yチェア

もう一点、椅子やダイニングテーブルを選ぶ際にお伝えしたいことがあります。

名作家具は、価値が下がりにくいということです。

ウェグナーのYチェアは発売から70年以上経った今でも現行品として売られており、中古市場でも高値で取引されています。良いものは世代を超えて受け継がれていく。これは家と同じですね。

安価な量産家具を何度も買い替えるより、最初から良いものを選んで長く使う。メンテナンスしながら使い込むほどに愛着が湧き、やがて子どもや孫の代へと引き継がれていく。

そういう家具選びを、私はおすすめしています。

ダイニングテーブルと椅子は、家族が毎日使うもの。だからこそ、家づくりと同じ目線で「本物」を選んでいただきたいと思
います。

ありがとうございました。




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