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基礎一体打ちできます。

基礎一体打ちは、きちんと施工できるという前提であれば、いいことしかない―。
お客様からちょくちょくお問い合わせをもらっておりましたが、ようやく基礎一体打ちが安定供給できそうです。


まず改めて基礎一体打ちについておさらいです。知っている人は私の解説まで飛ばしてください。

基礎の「一体打ち」とは?
二度打ちとの違いとメリットを徹底解説

-住宅の長寿命化に欠かせない基礎工法の選び方-

住宅の基礎は「家の土台」であり、建物の耐久性を左右する最も重要な構造部分です。基礎工事には主に「二度打ち」と「一体打ち」という2つの工法があります。この記事では、それぞれの違いと、一体打ちを採用するメリットについて分かりやすく解説します。


目次

二度打ちと一体打ちの違い

基礎は「ベース(底盤)」と「立ち上がり」の2つの部分で構成されています。この2つをどのように打設(コンクリートを流し込む作業)するかによって、工法が分かれます。

❌ 二度打ち工法

ベースと立ち上がりを2回に分けて打設。間に「打ち継ぎ部」と呼ばれる継ぎ目ができる。一般的に普及している工法。

◎ 一体打ち工法

ベースと立ち上がりを1回で同時に打設。継ぎ目のない一体構造(モノリシック構造)となる。

二度打ちの「打ち継ぎ部」が引き起こす問題

二度打ち工法では、1回目のベースが硬化した後に立ち上がりを打設するため、新旧のコンクリートが完全に一体化することは難しく、境界面(打ち継ぎ部)が残ります。

この打ち継ぎ部は経年劣化により微細なクラックが生じやすく、以下の問題を引き起こす原因となります。

💧 水の侵入リスク

打ち継ぎ部の微細な隙間から地下水や雨水が床下に侵入し、湿気・カビ・結露の原因に。

🐜 シロアリの侵入リスク

シロアリは0.6mm程度の隙間でも侵入可能。打ち継ぎ部が格好の侵入経路となる。

一体打ちの5つのメリット

防水性・止水性の大幅な向上

打ち継ぎ部がないため、地下水や雨水の侵入リスクを根本から解消。床下の湿気対策として非常に効果的で、カビや結露の発生を抑えます。

シロアリ侵入リスクの大幅低減

物理的な侵入経路を断つことで、薬剤に頼らないシロアリ対策が可能に。経年劣化による隙間発生の心配もありません。

構造強度・耐震性の向上

基礎全体が一枚岩構造となり、地震時の水平力に対しても高い抵抗力を発揮。長期にわたり安定した強度を維持します。

基礎外観の美しさ

打ち継ぎ部のラインが出ないため、見える部分の基礎が美しく仕上がります。外構との調和も取りやすくなります。

長期的なメンテナンスコスト削減

防水・防蟻性能が高いため、将来的な補修費用を抑制。初期投資を上回る長期的なコストメリットが期待できます。

二度打ちと一体打ちの比較表

比較項目二度打ち一体打ち
防水性△ 継ぎ目から浸水リスク◎ 高い止水性
シロアリ対策△ 侵入経路あり◎ 物理的に防止
構造強度○ 標準的◎ 一体構造で向上
耐久性○ 継ぎ目劣化に注意◎ 長期安定
外観○ 継ぎ目ラインあり◎ 美しい仕上がり
初期コスト◎ 比較的安価○ やや高め
施工業者◎ 一般的な工法○ 対応業者を選ぶ
長期コスト○ 補修費用の可能性◎ メンテ費削減

一体打ちを選ぶ際の注意点

一体打ちはメリットの多い工法ですが、採用にあたっては以下の点も理解しておきましょう。

⚠ 確認しておきたいポイント

  • 施工難易度が高い:専用の型枠システムや高い打設技術が求められます
  • 対応業者が限られる:実績のある業者選びが重要です
  • 天候の影響を受けやすい:1回で大量打設のため天候管理が重要
  • 初期費用は高め:二度打ちより20%程度高くなる傾向

ただし、住宅の耐久性・資産価値を長期的に考えれば、一体打ちを選択するメリットは大きいと言えます。

以上、ここまでが一般論となります。

解説

少し思っていることと解説を書きます。

基礎一体打ちは施工の難しさをクリアできるという前提でいいことしかない工法だと思っています。
デメリットはコストアップだけです。このコストと施工性についてお話しします

コストについて

コストについては弊社の場合、基礎面積に依存して30万円~程度割高となります。「一回分の打設手間が減ったはずなのになぜ」とお思いかもしれませんが、一回使い捨ての金物や型枠補強で割高になります。それを抜きにしても割高になるのは素直に付加価値や職人への技術料と考えていただけますと幸いです。
そもそもできる職人がおりません。技術の前に一体打ちには打設時、それなりの人数が必要です。
地方は、というか職人は、と言っていいと思いますが、ほとんど、小規模、個人事業主、家族経営で、職人個人だと参入障壁があります。

ランニングコストについては、打ち継ぎ部で発生するリスクが抑えられるとしか言えません。打ち継ぎがないので、基礎立ち上がりの化粧を省くのは、ありかもしれません。初期コスト、ランニングコスト的に確実にメリットはあると思います。
あくまでお化粧なので、いつかははがれ、修繕が必要になります。

施工性について

ベースも立上りも打つので、それだけ多くのコンクリートを扱うことになり、人数と慣れが必要となります。

発生リスクが高い不具合がコールドジョイント。
先に打ったコンクリートが固まり、あとから流したコンクリートと混ざらなくなって打ち継ぎ部が発生した場合、
コールドジョイントといって、品質的な問題が発生します。
このため、あまりにも複雑な形状の基礎や、広い面積だと施工できない場合があります。

特に真夏時の施工は基礎面積によって一体打ち不可となる可能性があることをご了承ください。
2F建てならまず問題ないかと。

余談

過去記事でも触れましたが、水平部と垂直部を一発で打つ一体打ちというのは、実はマンションなどの大規模工事ではありふれた工法です。ここから、住宅の基礎に流れてきたはずです。
大規模工事と、住宅基礎工事では同じ「コンクリート工事」、でも携わる職人が異なります。
大規模工事だと、コンクリートを打設する職人、鉄筋を組む職人、型枠を作る職人、左官で仕上げる職人がそれぞれ専門職として工事します。
 一方で住宅の基礎はこれを「基礎屋さん」としてまるっとすべて担うことになります。加えて、親子で仕事をしている人も少なくありません。一体打ち施工には一定の人数が必要となります。

また、私の知る限り一体打ちは日本独自の工法です。戦後、著しい復興と厳しい工期、予算管理の中で、育まれてきた工法なのだと勝手に推測しています。


館林林業の二度打ち工法

一体打ちはベストですが、コストが発生する分、標準化予定ありません。
世の中の99%が基礎二度打ち工法と考えれば、二度打ち工法でも全く問題ないと思っています。そもそも二度打ち工法という言葉に全くなじみがありません。一体打ちとの差別化のためにあえて使っています。そのくらい、べた基礎と言えば、ベースで1回、立上りで1回の2回打ちが広く一般的です。

弊社の標準仕様の基礎打ち継ぎ部処理についてお話しします。
ベースと立上りの打ち継ぎ部はコールドジョイントなので、実際には一体化されておりません。
打ち継ぎ部分はGL(地面の高さ)よりも50ミリ上がっているので、よほどのことがない限り、水は入ってきませんが、水位が打ち継ぎ部よりも高い状況が一定期間作られれば、確実に基礎内部へと水が浸入してきます。
シロアリよりも強度よりも「水」が私は心配です。

ということで、弊社は止水処置を必ずするようにしています。
鉄板による止水板が一般的ですが、理論上、結局これもコールドジョイントで隙間を作ることになるので、コンクリートと一体化するアスファルト系の止水材を全周施工しています。詳しくは家づくり相談会などでご説明しておりますので、ご質問ください。これにより、打ち継ぎ部の水密性とシロアリ経路を遮断しています。見えないところにお金をかけているということを知っていただけますと幸いです。


ただし、これは実験ができないので、どれほど効果あるかは実証できていません。そういう意味では基礎一体打ちが水密性を確保しているということは火を見るより明らかと言えます。



一体打ち否定論もあるらしい

パッとググった感じ、人によって、二度打ち工法の方が品質がいい、立上りのレベル精度がいいみたいな解説もあるようです。それは一体打ちが施工できない工務店が「こういうメリットもありますから前向きにとらえましょうよ」という意味での鼓舞であり、悪気も嘘をつく気も毛頭ないと思います。
これから家を建てる人にあっちの方がよかったのに!できないけど!なんて言えません。優しさです。絞り出しているのです。やりたくてもできないのですから。

学生時代からコンクリートの破壊試験を繰り返し、この会社に来るまでゼネコンで毎日コンクリートに溺れ戯れてきた私が、
正解を言うと、二度打ち工法の方が立上りのレベル精度は出し「やすい」です。「品質がいい」は明らかに間違い。です。

私も二度打ち工法の方がレベル精度がいいよというのはよく説明していました。結果の問題なので、正確にはレベル精度が出し「やすい」が正しいです。理由は2回打つから狙った高さに仕上げやすい。立上りのレベルの精度がいいと、何がいいかというと土台敷がしやすい。くらいです。

品質がいいという指摘は間違いです。二度打ち工法でも職人によって品質はバラバラです。結局は工法ではなく人です。
じゃんか(コンクリートの締固め不良)の指摘を目にしました。
じゃんかが一体打ちに比べて二度打ち工法の方が発生しくいのは正しい。2回打つので、1回1回目が届きやすいから。
ただ、そのために一体打ちは打設時の人数が必要と言っているわけで..。
そもそも、じゃんかというなら一体打ち云々より鉄筋間隔の方が大切。平場では経験上まず、出ない。
もっと「そもそも」を言うと住宅の基礎なんて配筋検査までしかやらないので、品質はほぼ職人と管理側のやる気と知識の問題。工法なんて関係ない。やはり人なのだと思います。

大前提として二度打ち工法は打ち継ぎ部という名のコールドジョイントが前提の工法です。それも含めて基礎の品質の優劣をしてあげないと。比較にならないと思います。


最後に


数十万円のコストをかけて一体打ちをするべきかどうかについてはわかりません。空気清浄機みたいなものかもしれません。わかりません。
お前は自分の家だったらどうするんだと聞かれたら、いいことしかないうえ、予算的にコストをかけられるので、一体打ちでやります。優先順位的に資金が枯渇し後回しになり、やっぱりやらなかったら報告します。

ありがとうございました。


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