断熱材の仕様を変更いたしましたのでご報告いたします。
2025年以降、順次切り替えていきます。
SWの性能向上
5月発注分より、弊社が使っているスーパーウォール(硬質ウレタンフォーム、以下SW)の熱伝導率が大幅に改善されました。従来の0.024W/(m・K)から0.019W/(m・K)へと向上し、ネオマフォーム(0.020W/(m・K))を上回る熱伝導率を実現しています。価格もそのままです。
厚み100ミリが使えない
この性能向上と時を同じくして、販売元から100mm厚のSWパネルは、屋根断熱もSW使ってくれないと、今後売りませんよと正式にお達しが来ました。
今後は名前を変えただけの、硬質ウレタンフォーム「商品名:ヒートコアパネル」(85mm厚、SW同等品、以下HC)の購入を推奨されています。こちらも同様に熱伝導率0.019W/(m・K)への改善が図られています。これなら売りますよと。ただし厚みが85ミリまで。
断熱性能の検証
弊社の従来仕様: SW 100mm厚、熱伝導率0.024W/(m・K)
今後?の仕様: HC 85mm厚、熱伝導率0.019W/(m・K)
厚みは15mm減少しますが、熱伝導率の大幅な改善により素材としての断熱性能(熱抵抗値)は以下のように向上します
熱抵抗値=厚み/熱伝導率:
- SW(100mm):4.17 m²・K/W
- HC(85mm):4.47 m²・K/W
- 性能向上:約7.4%
結果として、厚みが薄くなったにも関わらず、断熱性能は明確に改善されることが計算結果からわかると思います。
根本的な見直しへ
性能は結果として上がるのですが
この変更を機に、壁断熱材の素材選定そのものを根本から見直すこととしました。
最大の理由は防火・準防火構造への対応です。ウレタン系断熱材では外壁に木板を使用する際、防火・準防火構造の認定取得が困難となります。木質外装を多用する弊社にとって、都度仕様を変えなければならず、長らく懸念事項でした。
比較検討の末
たくさんの断熱材メーカー様から見積もりを取得し検討した結果、付加断熱の標準化に今、舵を切っています。
これにより:
- 木質外装における防火構造認定の取得が容易になる
- 温熱環境性能が飛躍的に向上する
- 遮音性が向上する
良いことしかない。机上では金額も変わらない..。
つづく